多様な働き方

フレックスタイム制とは? メリット・デメリットと、労使協定で決めておくこと6つ

この記事でわかること

・フレックスタイム制のメリット・デメリット
・就業規則と労使協定が必要だということ
・労使協定で決めておくべきこと6つ

フレックスタイム制とは

通常の勤務では「9時~18時」などと働く時間帯が決まっていますが、フレックスタイム制では、仕事を始める時間、休憩時間、仕事を終える時間を自分で決めることができるため、その人のライフスタイルやバイオリズムにあった働き方をすることができます。

フレックスタイム制は働く日を自由に選択するわけではありません。あくまで会社の出勤日に対して始業時刻や終業時刻を選択できる制度です。

 

また、自由に働けるからといって労働時間を記録しなかったり、残業代を支払わなかったりすると違法になります。タイムカードやシステムなどで労働時間はしっかり記録しましょう。

 

フレックスタイム制のメリットデメリット

社員にとっては自由度が増すフレックスタイム制ですが、メリットデメリットがあります。

フレックスタイム制のメリット3つ

①社員が自分の仕事のリズムや体調に合わせて仕事ができる
通勤ラッシュを避けることができる
③自由度が高い働き方のため、採用や定着に効果がある

やはり、自由度が高くなるというところが一番のメリットになります。また、会社にとっては、仕事の繁閑に関しても柔軟に対応できるという点もあります。

フレックスタイム制のデメリット3つ

①自己管理ができないと生産性が落ちる
労働時間が増える、または時間帯が深夜など遅い時間帯になることがある
③コアタイムの設定によっては他社との打ち合わせや社内ミーティングの時間がとりづらい

特にフレックスタイム制には、自己管理は必須です。

IT会社などでフレックスタイム制を導入したものの、どんどん出勤時間が遅くなってきて深夜労働になり、健康状態が悪くなった、という事例も散見されるため、会社側が注意を払う必要があります。

 

フレックスタイムの導入、必要なふたつの書類

フレックスタイム制ですが、導入するためには以下が必要です。


①就業規則に定める
②労使協定を締結する

 

①就業規則は、常時10人以上雇用している事業所は、作成して労基署に届けておく必要があります。

・労基署に提出済の就業規則に、フレックスの記載がない場合は、追記して再提出をする
・10人以下の事業所も、新しくフレックスタイム制を導入する場合は、作成が必要

②労使協定の労基署への提出に関しては、以前は不要でしたが、2019年に労働基準法が改正され、変更されています。

・清算期間(※後述)が1ケ月以内だと労基署への届出は不要
・清算期間が1ケ月を超えると、労基署への届出が必要

労使協定で定めるべきこと6つ

フレックスタイム制の導入には、ルール作りが肝心です。特に、労働時間が増えたり、働く時間帯が遅くなったりするリスクのあるフレックスタイム制では、基準を定めておくことをお勧めします。

決めること①対象者の範囲

フレックスタイム制の対象となる労働者の範囲です。全社でも可能ですが、部署単位や個人単位での適用もできます。

決めること②清算期間

フレックスタイム制において残業時間、不足時間を計算する期間のことです。

2019年の労働基準法改正により、フレックスタイム制の清算期間は、最長「1ヵ月間」から「3ヵ月間」へと延長されました。その結果、フレックスタイム制を用いた「月をまたいだ労働時間の調整」が可能となり、柔軟な働き方導入の幅が広がっています。

フレックスタイム制の残業代清算は、清算期間が終わってから行います。ただし、1ケ月を超える清算期間の場合は、週50時間を超えた時点で、超えた部分は清算期間の終了を待たず、その月に支払いをする必要があります。清算期間を1カ月以上に設定する際は、注意が必要です。

決めること③清算期間における総労働時間

清算期間内で労働すべき時間のことです。この時間は、清算期間を平均し、1週間の労働時間が法定労働時間の範囲内となるように定める必要があります。

決めること④標準となる1日の労働時間

フレックスタイム制を採用している社員が有給休暇を取得したときに、何時間分の労働をしたとして計算するかを定めます。

決めること⑤コアタイム、フレキシブルタイム

必要に応じて

コアタイム(必ず勤務しなければいけない時間帯)
フレキシブルタイム(定められた時間帯で出勤・退勤時間を決めることができる)

を定めます。定めないことも可能です。

決めること⑥フレックスタイム制適用の解除の基準

労働時間に対する意識低下、取引先へのサービス低下などマイナスの影響が出ないよう、フレックスタイム制の解除の基準を定めます。

1か月のコアタイムの遅刻回数や欠勤回数、残業時間の増加や不足時間数などで定める場合が多いです。

 

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IT会社を中心に導入が進んだフレックスタイム制ですが、うまく運用すれば社員の自由度と生産性を同時に達成できる制度です。ただ、それには各自が自律して働けることが絶対条件となります。
単に自由を与えるだけではなく、フレックスタイム制の導入目的を伝え、タスク管理や仕事のコントロール方法までしっかり教育して、本当に活用できるフレックスタイム制を目指しましょう。その結果、多様な働き方が会社に定着すれば、既存の労働制度では働けなかった優秀な社員を雇用できたり、社員のモチベーションアップも期待できます。

 

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