労働時間・休日

従業員の半休にどう対応するか 休憩時間・残業代の考え方 

この記事でわかること

・半休の日に残業をしたらどうなるか、割増賃金計算の注意点
・半休の日の休憩時間の考え方と時間の基準
・半休が取得できない会社の場合は控除ができる

労働時間の考え方のおさらい

有給休暇として半休を取得できるかどうかは、就業規則の定めによります。

就業規則の休暇に関する項目に、「年次有給休暇の取得に際し、午前又は午後のみの半日取得も認める」と記載がある場合は、午前または午後の半休を取得できます。

 

変形労働時間制やフレックスタイム制などを導入していない一般的な事業所の場合、1日8時間、週40時間までの労働には割増賃金はかかりません。

たとえば、1日8時間勤務の場合は、週5日勤務でトータル40時間に達するため、その他の2日は休みになります。

【割増賃金の基本】
1.日
2.週
の順で考える

所定労働が8時間の事業所では、原則的な考え方は以下の通りです。

【月曜9時間勤務、火曜7時間勤務だった場合】
月曜は、1時間分の割増(超過時間に対して125%支払い)
火曜は、1時間分の遅早控除(遅刻・早退時間数に対して控除)

月曜と火曜とトータルすると16時間になりますが、日ごとにみていくため、残業と遅刻・早退の時間数を相殺することはできません

 

 

半休を取得した場合の残業時間の考え方

年次有給休暇の取得は労働の免除を意味するものですが、業務の都合で労働時間が延長するケースもあります。

半休の残業に割増賃金が発生するか

【サンプルケース】
・始業が8:30
・12:30〜13:30が休憩時間
・17:30が終業
・午前半休を取得し、13:30に出勤して20:00まで労働した

この場合の割増賃金は、


・割増賃金はまず「日ごと」で考える
・13:30から20:00の実働は6時間半

8時間>6時間半のため、普通残業の割増賃金は生じません。

 

半休を取得した場合、割増賃金は発生するのか

普通残業の割増賃金は、1日あたり8時間を超過すると発生します。これは半休取得日であっても同様で、勤務開始から実働8時間を超えた段階で、割増賃金が生じます。

つまり上記のサンプルケースでは、21:30からは割増賃金が必要になります。


ただし業務途中で休憩を取る必要があるため、実際には、21:30より遅い時間からが割増賃金の対象になります。

 

半休を取得した場合の休憩時間とは

労働基準法には、以下のような休憩時間の決まりがあります。

労働時間(休憩除く)が6時間を超える → 業務の途中で45分の休憩
労働時間(休憩除く)が8時間を超える → 業務の途中で少なくとも60分以上の休憩

 

つまり半休を取得した場合でも、労働時間(休憩除く)が6時間を超えるなら、その途中で45分の休憩時間が必要です。

前述のサンプルケースでは、6時間半の労働になるため、本来は勤務中のどこかで45分の休憩を取らないといけません。管理が複雑化しないよう、できる限り6時間を超過しないような指導が求められます。

 

半休が取得できず、勤務時間に不足が出る場合はどうするか

半休の取得は就業規則を根拠にしているため、全ての事業所で取得できるわけではありません。

会社に定めがなく半休が取得できない(もしくは有給残数を持っていない)場合は、不足時間分を給与から控除することが可能です。

【1日8時間の勤務、60分休憩の勤務のケース】

8時間の勤務時間に対して4時間の勤務だと、1日の勤務時間に対し4時間分の不足がでます。この不足の4時間分は、給与から遅刻・早退控除として給与から引くことができます。


ただし、残業代の支払い対象となっていない管理監督者や完全月給の場合は、控除をしません。

 

また皆勤手当の支給がある場合は、遅刻・早退があれば皆勤手当を支給しないことも可能ですが、あらかじめ就業規則で、支給しない場合の条件を決めておく必要があります。

 

半休を取得した場合、8時間まで残業代は出ないのか?

普通残業としての割増賃金は8時間を超えたところから加算されます。


ただし有給として半休を取得する際、所定時間よりも延長して労働する場合は、延長時間に対して所定の時間外労働(100%の賃金)の加算が必要です。

 

【例】
・時間単価1,000円
・午前は8:30~12:30
・午後は13:30~17:30の、8時間勤務

この従業員が午前半休を取得をしたら、午前半休の所定時間分の賃金(4時間分)が保証されます。

午後は13:30〜17:30が通常の勤務時間であれば、17:30以降は実働で8時間を超えるまで、1時間あたり1,000円(100%の所定内残業)の支払いが生じます。

 

就業規則の定め方に注意する

前述の通り、法律上の取り扱いは、8時間を超えるまで100%の所定内残業(時間単価1,000円の場合は、1,000円)の支払いが必要です。

ただしこのケースにおいて、就業規則に「17:30以降の勤務については普通残業として取り扱う」などと記載がある場合は、125%(時間単価1,000円の場合は、1,250円)の支払いが必要となります。

これは勤怠管理の上では管理しやすい方法ですが、法律上支払う必要のない割増を加算するため、総人件費や労務費率を考える上では問題となるでしょう。

 

ルールを定めるときには、以下のように記載することをおすすめします。

まず「従業員が所定労働時間および法定労働時間を超えて勤務した場合、次の各号の計算式によって算出された時間外勤務手当等を支給する」と記し、
・所定労働時間を超えて勤務する際は100%
・法定労働時間を超えて勤務する場合は125%
として、別々に割増率を変えて記載する

このルールが明確になっていれば、従業員も自身の半休や残業代について管理しやすくなり、トラブルを防ぐことが可能になります。

1日中休む必要はなくても、家族の世話や諸手続きなどで、「平日日中の数時間だけ時間が欲しい」という日は、どの従業員にもあり得ます。勤務に支障が出ないよう対応し、また勤務した時間に合わせて適切な賃金計算をすることは、会社のつとめです。
計算があいまいだと、従業員の出勤意識も下がってしまい、労働時間そのものが管理できなくなりますから、まずは半休について就業規則に定めておくことをおすすめします。

 

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