休職・休業

休職についての会社ルールの決め方は? 手続きの流れと給与・社会保険

この記事でわかること

・休職とは何か、欠勤とはどう違うのかについて
・休職の条件や適用範囲は、会社が任意に決め、就業規則に定める必要があること
・ルールを決めるときのポイントと、給与・社会保険をどうするかについて

休職に関するルールは、労基法ではなく会社で定める

休職期間は、労働基準法で取得期間が決まっているものではないため、会社が任意で定めることができます。
定めた場合は、就業規則に記載しなくてはいけません。

 

休職と欠勤の違い


休職とは、雇用契約を結んでいるにもかかわらず、労働を免除することです。


認めた期間は、雇用契約は続きます。傷病休職だけに限らず、留学など自己都合による休職、起訴される期間の休職、労働組合の専従職員になるための組合専従休職、出向休職など様々な休職があります。また会社ごとに休職制度は異なります。


欠勤とは、労働が免除されていないまま、労務提供をしないことです。休職と異なり、通常短い日数を指します。

 

休職に関する規程の必要性と、一般的な休職期間

就業規則で休職期間を定めていない場合、一般的には、よくある例(慣行)を元に認めることになります。

休職制度は、7割の事業所で制度を設けており、一般的な休職期間の上限は6ヶ月超えから1年までが最も多くなっています。

慣行を元に休職期間を決めることのデメリットは、従業員の不満につながりやすい点です。ルールの透明化はスムーズな復職につながるため、就業規則で自社独自の休職に関するルールを定めておきましょう。

 

参照:
労働条件の設定・変更と人事処遇に関する実態調査|独立行政法人労働政策研究・研修機構

 

休職の条件と、適用範囲

休職の条件や適用範囲は、会社が任意に定めることができます。

一般的な会社の定める、休職の条件
・本人からの私傷病の申し出
・医師からの診断書の提出
・勤務できない日が〇日以上継続する

誰から見ても、業務が困難なほどに調子が悪いのに、本人がそれを認めず休職を拒む場合、会社が休職を命ずることができるように定めるケースもあります。


就業規則の中で、休職の適用範囲を正社員のみに限定している場合は、契約社員やパートタイマーなどの非正規社員は、休職することはできません(欠勤扱いになります)。

また休職を認める前提として、有給休暇を使い切り、その後1ヶ月程度の欠勤期間を経ることを条件としている会社も多くなっています。

 

休職のルール作成の流れ

 休職についてのルールと、手続きについて、どのように定めるかを解説します。


会社は、就業規則の中に、提出書類を任意に定めることができます。

多くの会社では、医師の診断書の他に、休職願いや定期報告に関しての誓約書などを求めています。


休職者の状況を把握するために、最低でも月に1度の定期報告を求めましょう。

電話連絡やメールでの報告よりも、月1回の産業医の面談と定期報告をセットで行うことで、スムーズなコミュニケーションが可能になります。


働けるほどに回復した場合は、医師の診断書を元に、会社の承認を経て、復帰します。

就業時間や業務内容などが以前と同じで問題がないか、復帰前に社員と相談しましょう。一定期間(1~2ケ月)は、残業を免除または短時間勤務を経ることも、スムーズな復帰につながります。

 


就業規則に「休職期間が満了しても復職できないときは自然退職とする」と記載がある場合は、休職期間満了の退職」となります。

もし規則に記載がなく、復職もできない場合は解雇することになります。ただし解雇は社会通念上相当でないと解雇無効と判断されるケースも多いため、簡単に解雇することは難しいでしょう。

 


会社が必要と認めた場合は、休職期間を延長することもできます。

休職前までの会社に対する貢献度や治癒の見込み、産業医の意見などを総合的に考え、判断しましょう。

 

 

給与、社会保険などはどうなる?

休職中の給与や社会保険は、会社にとっても、本人にとっても大切なことのため、正しく管理をする必要があります。

給与は支給されるのか

会社の賃金規程によりますが、多くの会社ではノーワークノーペイとして給与は支払われません。ただし賃金規程で、休職期間のうち指定した期間は一定額を保障する会社もあります。


休職期間は、賞与や人事評価、退職金の算定では計算基礎の対象外とする会社が多いでしょう。

 

傷病手当金について

医師から労務不能の証明を受ける場合は、健康保険から傷病手当金という所得保障がでます。傷病手当金は非課税となり、受給者に確定申告での申告の義務はありません。

傷病手当金は、以下の全てを満たす場合に、4日目の休業から、1年6か月の範囲で支給されるものです。
・私傷病のため、労務不能であること
・療養のため、連続して4日以上休んでいること
・賃金を受けられないこと

【支給額】
〔支給開始以前の12 か月間の各月の標準報酬月額を 平均した額〕÷30×2/3 相当額(非課税)

※標準報酬月額とは、健康保険の保険料を計算するための基礎となる金額です。給与額と交通費の金額から個人別に決まっています。

社会保険料、住民税の支払いをどうするのか

社員は、傷病休職中も会社に属しているわけですから、社会保険料が免除されず、住民税もかかります。


多くの場合、手取りはマイナスになります。社員にしてみると、給与が支給されないのに、支払いだけが続くことになりますから、大きな痛手となります。

休業に入る前に、社員に説明をして、社会保険料と住民税を給与からまとめて徴収するか、定期的に振込みをしてもらうか、相互で取り決めをしておくことが大切です。

 

休職は、会社にも、本人にも負担がかかる事案です。だからこそ、ルールに則って管理をすることと、本人の状態を見極めながら、最適な対応をすることが求められます。
思わぬケガや病気で辛いのは、社員本人です。また「復帰できるか」という不安や、精神的なストレスを抱えやすい時期でもありますから、会社としても正当な判断を下す必要があります。また休職の手続きの中で、会社への不安・不満が出てしまうと、復帰後に離職される可能性も高くなってしまいます。まずはルールを定め、その後は状況に合わせて復帰に向けた話し合いを進めましょう。

 

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