有期雇用と無期雇用の違い

雇用管理

有期雇用と無期雇用の違いは?有期雇用のメリットを生かす方法と注意点

この記事でわかること

・雇用には有期雇用と無期雇用の2種類がある
・有期雇用は会社としてはリスクが少ないが、無期雇用は社員の生活の安定を保証できる
・有期雇用をうまく使いつつ、無期雇用につなげていく方法がある

有期雇用と無期雇用の違いとは

雇用には、「有期」と「無期」があります。違いをひとことでいうと「雇用期間に定めがあるかどうか」です。

パート、アルバイト、契約社員、嘱託社員など、呼び方はさまざまですが、どんな呼び方であっても、契約期間が決まっていれば「有期雇用」です。

有期雇用は、その期間で終わることもあれば、同条件で契約更新が繰り返されることもあるため、期間には上限が設けられています原則的に3年以下、一部の職種や、満60歳以上の労働者との間で結ばれる契約は、特例として5年以下)

一般的な正社員としての雇用契約は、無期雇用となります。本人が退職、または会社が解雇しないかぎり、雇用は続きます。
雇用が安定している反面、仕事との相性がよくなかった場合などには、辞めにくい・辞めさせにくいといった問題も出てきます。
有期雇用と無期雇用のメリット・デメリット

有期雇用と無期雇用は、どちらがいいというものではありません。会社の状況や、社員に対して求めるものなどによって柔軟に活用することが求められます。

有期雇用 無期雇用
メリット 雇用した社員が会社と合わなかった場合や、会社のそのときの状況によって、雇用を継続しないことができる 継続的に雇用が約束されているため、社員のやる気も上がり、会社としても長期的な目線で考えることができる
デメリット 社員の生活が不安定になるため、社員のやる気が上がりにくい、または採用しにくい 社員の能力が会社や業務に合わず、パフォーマンスが低いときに、解雇しにくい

特に中小企業やベンチャー企業では、正社員か、そうでなければパートタイマーかの二者択一になっており、有期雇用を有効活用できていないケースがあります。

しかし、有期雇用で採用して能力や適性を確認し、無期雇用に転換することで、採用活動の精度を上げることも可能です。まずは制度を理解して、正しい活用をすることが必要です。

 

有期雇用と「雇い止め」

雇い止めとは、有期雇用契約の期間満了時に、使用者からの意思表示により契約を更新しないことをいいます。しかし有期雇用であるからといって、簡単に雇止めをしていいわけではありません。

3回以上更新、または1年以上継続して雇用されている場合は、少なくとも30日前に雇止めを通知しなくてはいけません。
また雇止めをするときは、「契約期間満了」以外にも理由が必要です

有期雇用が通算5年続いた場合、本人が望めば無期雇用に転換しなくてはいけません。
また契約の更新手続が形骸化してしまっていたり、短期間に反復して契約が更新されている場合は、雇止めができない可能性があります。

つまり、有期雇用を行うときは

・期間が終わる1か月前には必ず面談を行い、契約を更新するかどうかを伝える。
・今後、契約を更新していくための基準も伝える

ということを守り、運用していく必要があります。

 

有期雇用のメリットをさらに生かす考え方

有期雇用には、「会社の身勝手で雇止めができる」という悪しきイメージも付いています。しかし、有期雇用か無期雇用かを判断するときに「社員有利にするか・会社有利にするか」という対立関係で考えてしまうと、会社と社員の関係性はよくなりません。

有期雇用は、うまく活用することで、会社・社員の双方にメリットが生まれます。

社員にとっても、試用期間としての有期雇用期間があることで、自分の適性と会社の風土・業務などが合いそうかを見定める期間があることは、メリットになります。

有期雇用をネガティブに考えず、優秀な人材なら無期雇用に転換することを前提に、この雇用形態を活用してみてください。結果、助成金がもらえることになれば、大きなメリットとなり得ます。

雇用契約書に記載するときのポイント

有期雇用の契約書には、以下を記載する必要があります。

・契約更新の有無(自動更新があるかどうか、もしくは更新はしない、等)
・契約更新の判断基準(業務の進捗状況や会社の経営状況、勤務成績の基準等)

また上記は、口頭では伝えるだけではいけません。労働基準法により、書面による明示が義務付けられています。
実務の場面では、労働条件通知書の交付時に明示されることが一般的です。

 

優秀で、会社に合った人材が欲しいいう願いは、どの会社にも共通しているでしょう。しかし採用面接だけでは、お互いの実態や考えなどは、すり合わせしきれません。そのため3か月〜6か月の期間を有期雇用とし、その間に会社・社員ともにお互いの状況や価値観を把握するという方法がおすすめできます。

社員サイドから見ても、自分の価値観と合わない会社に勤務したり、能力を発揮できない仕事に就くことは、不幸なことです。

会社も、相互のすり合わせがしやすいよう、「どのような価値観で会社を経営しているのか」「それぞれの仕事に何を求めているか」を明確にして、よりよい会社づくりを意識してみてください。

 

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