雇用管理

企業秘密を守るには? 秘密情報保護規程で決めること一覧

この記事でわかること

・秘密情報保護規程は就業規則の一部であり、労基署への届け出が必要であること
・秘密情報保護規程を作成するときに決めておくこと3つ
・秘密情報保護規程を作成するときに定めるべき、7つの要素

 

秘密情報保護規程が必要な理由と、対策の必要性

秘密情報とは、法律では明確に定義はされていませんが、会社にとって重要な情報で、秘密性が高い情報のことです。

会社には、商品の情報・サービスのノウハウ・営業先の情報などの、多くの大切な情報があります。これらの情報は、同業他社から見ると価値の高い情報でもあり、漏洩すると会社の信用を落としてしまいます。

そこで会社は、これらの秘密情報を保護し、漏洩することを防止するためのルールを作成して、会社を守る必要があります。

一般的な会社では、

・入社時に秘密情報を漏らさないことを誓約書で約束させる、このときコピーを本人にも渡し、忘れないようにする
・秘密情報保護規程によってルールを決めたり、漏洩したときの懲罰を明確にする
退職時に再度誓約書を提出してもらい、退職後の漏洩を防止する

などの対策が取られています。

秘密情報保護規程は、就業規則の一部


就業規則の中の条文に秘密情報保護規程を入れる場合と、就業規則とは別に秘密情報保護規程を作成する場合があります。

別規程にしても就業規則の一部なので、作成したり変更する場合は、10人以上の従業員(正社員以外にも、雇用関係がある従業員数)がいる会社は、管轄の労働基準監督者への届出が必要になります。

 

秘密情報保護規程を作成するときに、決めておくこと3つ

秘密情報保護規程を作成する場合、少なくとも3つの内容を決めます。


「秘密情報とは何か」を決めます。

会社には多くの情報があります。その中でどの情報が秘密情報に該当するかを整理しましょう。

 

 

秘密情報かどうかの判断基準は、会社によって異なりますが、以下の基準に沿って決めることが一般的です。

①その情報の経済的価値
②取引先や顧客への信頼度低下の程度
③同業他社が欲しい情報か

秘密情報を決めたら、それが漏洩したときにどのくらいの会社の損失が生じるか、予想しましょう。


秘密情報を、どのように保護するのかを明確に定めます。

顧客情報などの営業に関する情報、商品や設計図などの企業秘密情報、マニュアルやサービスノウハウの情報など、秘密保持にはさまざまな形態がありますが、秘密情報の形態や種類によって、保護する方法が異なります。

 

商品やマニュアル等の物品の場合、金庫に保管して鍵の管理方法を決めて安易に持ち出さないようにしたり、コピーを禁止したりします。

パソコン内にある情報の場合は、アクセス権を限定して簡易にアクセスできるようにしないことや、アクセスしたときの履歴を残すようにします。

IT化により、パソコンやサーバーに秘密情報を保管することが多く、持ち込んだUSBでコピー等をして、同業他社への転職で情報を渡すなどの問題が生じています。

パソコンや社内サーバーで保管する場合は、簡単にコピーできないようにしたり、USBの持ち込みを禁止する、特定のUSBのみ使用許可にする、USBを使用できないように設定するなど、注意が必要です。

そして、漏洩防止する方法を決定したら、ルール化をして従業員全員に周知しましょう。

 


従業員の故意により漏洩した場合、どのような対応をするか決めます。

一般的には就業規則の懲戒事由に該当するので、懲戒の対象になること、損失の程度によって損害賠償を請求することなどを決定します。

 

 

秘密情報保護規程で定めるべき、7つの要素

就業規則の一部で定める場合は、情報漏洩することを禁止することを第○条として定めたり、服務規程や禁止事項で定めます。そして懲戒事由にも記載して、どの程度の懲戒事由に該当するかを明確にします。

秘密情報保護規程として、就業規則とは別に定める場合は、もっと詳しく以下の内容を定めます。

①管理責任者の選任と責務

管理責任者が、秘密情報管理をして、漏洩を防止するための司令塔となります。
また、秘密情報の指定や解除についても最終的に判断します。

②秘密情報の分類

秘密情報が、社外秘なのか、部外秘なのかなどを決定して、それぞれの保護の方法を決めます。

③秘密情報の利用方法、複写方法

秘密情報を利用するために、どのような許可を行うのか、複写はどのような許可が必要で複写の方法をどうするか定めます。

④秘密情報保護の義務

従業員は、秘密情報を保護し、漏洩してはならないことを明確にします。

⑤適用範囲

秘密情報保護は、正社員だけでなく、派遣社員、アルバイト・パート、役員に適用されるのかを決めます。

⑥罰則や制裁

漏洩した場合に、どのような懲戒となるのか明示します。

⑦退職後も漏洩禁止

秘密情報の保護は、退職後も適用するので、退職後も漏洩を禁止し、場合によっては損害賠償請求することもあると定めます。

 

秘密情報保護規程を作成したら、かならず従業員に周知する必要があります。
従業員の入社時に規定を見せるだけなく、定期的に研修や通知を行い、ルールを再確認しましょう。

秘密情報は増えていくことが殆どです。規定の作成後の秘密情報が保護されないことがありますので、定期的に秘密情報を見直し、会社と社員のリスクを減らすことが大切です。

 

情報化社会になればなるほど、秘密情報は増え、そして漏れやすくなります。社員が裁量をもって自主的に仕事をするためにも、どれが秘密情報なのか、扱い方のルールがどうなっているのかは、明確にしておいて損はありません。SNSやネットで情報が漏れやすい時代でもありますから、社内の情報管理リテラシーを上げておくことは、トラブル回避にも有効です。
就業規則はどのみち必要なものですから、作成時には秘密情報に関しての記載をしておきましょう。

 

 

ピックアップ記事

  1. 【社員へのメール例文付き】台風や地震、どう対応する?会社がすべきことと補償につい…

関連記事

  1. 雇用管理

    解雇はできる? 解雇の基準と手続きの流れを徹底解説

    この記事でわかること・解雇の4つの種類・普通解雇の手続きの…

  2. 雇用と業務委託の違い

    雇用管理

    雇用と業務委託の運用方法の違いは?働き方の多様性を広げる業務委託

    この記事でわかること雇用契約と業務委託契約の、関わる法律や運用…

  3. 有期雇用と無期雇用の違い

    雇用管理

    有期雇用と無期雇用の違いは?有期雇用のメリットを生かす方法と注意点

    この記事でわかること・雇用には有期雇用と無期雇用の2種類がある…

  4. 雇用管理

    【会員限定】試用期間ってなに? 保険加入や就業規則記載の必要性について

    これは会員限定記事です。パスワードをお持ちの方はご入力ください。お持ち…

ピックアップ記事

よく検索される記事

  1. 就業規則には3ステップ必要

会員限定記事

最近の記事

  1. 休憩時間って誰にどうやって与える? 時間の決め方と、運用の注…
  2. 定期健康診断の運用、どうしたらいい? 病院選定の方法から、書…
  3. 雇止めをしたくなったら? 会社側の判断基準と、手続きの流れ
  4. 年度更新ってどうすればいい? 計算方法と注意点
  5. 遅刻・早退があったらどうする? 給与から控除してもいいのか
  1. 基本

    労基署の調査が入ったら? 準備すべき書類一覧と、当日までの流れ
  2. 雇用管理

    雇止めをしたくなったら? 会社側の判断基準と、手続きの流れ
  3. 就業規則には3ステップ必要

    規則

    就業規則 「作成・周知・届出」の3ステップ徹底解説
  4. 労働時間・休日

    休憩時間って誰にどうやって与える? 時間の決め方と、運用の注意点
  5. 多様な働き方

    テレワーク導入、どうする? 4つの種類と、テレワーク勤務規程で定めること7つ
PAGE TOP