労働時間・休日

直行直帰の管理方法は? 労働時間と残業時間の考え方

この記事でわかること

・直行直帰のメリットとデメリット
・直行直帰をしたときの労働時間・残業時間の考え方
・ルールの決め方と、秘密情報の漏えいリスクについて

 

直行直帰とは

直行直帰とは、会社へ行くことなく直接「家⇔仕事場」を行き来することです。

直行とは、会社へ行かずに家から直接仕事場へ出向くことです。仕事開始時間が早い場合や、直接現場へ出向いた方が効率良く業務を進められる場合などに行われます。

 

直帰とは、仕事の終了後に会社へ戻ることなく、直接家へ帰ることです。仕事の終了時刻が遅い場合や、会社へ戻る必要がない場合などに行われます。

 

直行直帰は、この「直行」と「直帰」のふたつが同時に行われた場合に使われる言葉です。外回りの多い営業職などは、この直行直帰を行うケースがよくみられます。

 

直行直帰のメリットとデメリット

直行直帰には、メリットとデメリットがあります。


家から会社へ行き、その後に仕事場へ出向くとなると、当然ながらその分の移動時間がかかります。仕事場から会社へ行き、その後に帰宅する場合も同様です。

直行直帰をすることで、会社へ行き来する手間が省けるため、その分の時間を仕事や休息の時間に充てることができるでしょう。交通費を抑えることで、経費の削減につながるという利点もあります。


仕事の状況を把握しにくいので、上司が不安を感じます。直行直帰の社員が自己管理できていないと、怠ける可能性もあるからです。また自己判断で仕事を家に持ち帰ったり、情報漏えいのリスクもあるでしょう。

逆に、いい成果が上がっても社内で共有しにくいなど、うまくコミュニケーション管理をしないと、モチベーションを下げる危険性もあります。

 

直行直帰は、労働時間の計算方法

通常は、会社員は家から会社へ行って仕事をし、終了後は帰宅します。したがって、「労働時間=会社で仕事をしている時間」になるため、簡単に計算をすることができます。

しかし、直行直帰の場合は、会社への行き来をすることなく直接現場で仕事をすることになるため、労働時間の計算があいまいになりがちです。

このような直行直帰時の労働時間は、「労働開始=現場に到着した時、労働終了=現場から家へ出発した時」でカウントすることを覚えておきましょう。

 

これは、直行直帰では、実際の業務は現場に到着した時点で行われ、現場を離れる時点で労働が終了したとみなされるためです。

また、直行時の家から現場までの移動時間と、直帰時の現場から家までの移動時間は、ともに勤務場所と自宅の往復であるため労働時間とはいえず、通勤時間と扱われます。

 

現場での作業が所定労働時間を超える場合は?

直行直帰による仕事の場合、中には会社で決められた出社時間、退社時間を超えた労働が必要となるケースがあります。

このような場合の対処法として「事業場外みなし労働時間制」を使う方法があります。これは、上司の目が行き届かない社外で業務を行い、正確な労働時間を計算することができない場合に活用できる方法です。

 

みなし労働時間制を使えば、直行直帰時の労働時間を所定労働時間働いたものとみなすことが可能になるため、労働時間の計算が容易になります。

ただし、これはあくまでも「上司が直接の指示を与えることができない場合」に使うことができる方法です。上司の指揮命令のもとで所定労働時間を超える労働が行われた場合は、実際に仕事をした時間分の賃金や残業代などを支給しなければなりません。

 

直行直帰の管理方法

直行直帰は、会社側が出勤・退社時間を正確に図ることができない行為であるため、事前のルール作成が必要になります。

管理① 事前の申請について決める

まず、事前に直行直帰の必要性が分かっている場合は、事前に社員からその内容を申請してもらいます。

直行直帰が必要な理由や現地で行われる業務の内容などを記載することができる、申請書のフォーマットをあらかじめ作成しておく方法が有効です。

 

高額な移動費用などがかかる場合は、前もって必要となる経費の申請もあわせて行っておくことで、その後の業務がスムーズになるでしょう。

管理② 事後の報告について決める

また、直行直帰が行われた後には、日報や報告書などで実際に行われた業務内容を、社員に報告してもらうようにします。

最近では、オンラインで日報の管理をすることができるシステムを組む会社も多くみられます。経理担当者の負担を減らすためにも、できるだけ迅速に経費の精算を含めた報告業務を進めてもらうことが重要です。

管理③ 就業規則や各種規程を整備する

外回りの営業職が多く所属するケースなど、直行直帰がひんぱんに行われる会社の場合、直行直帰に関するきちんとしたルールづけを行っておく必要があります。

具体的には、就業規則や個別に交わされる労働契約書、直行直帰規程などを活用して定める方法が挙げられます。

 

特に、直行直帰時の労働時間の把握方法については、後のトラブルを防ぐためにも明確にしなければなりません。みなし労働時間制を採用する場合なども、詳細を記しておく必要があるでしょう。

 

秘密情報の保持について

なお、ルールを決めていく際にもう一つ忘れてはならないのが「秘密情報の保持」についてです。

直行直帰では、社員が会社から重要な書類やデータなどを持ち出したり、自宅に置いておく場合があります。このような場合のルールをきちんと決めておかないと、管理体制がずさんになり重要な情報が流出する危険があります。

本当に必要な情報のみを持ち出すよう、徹底したルールづけを行いましょう。

 

連絡手段が発達した現代、わざわざ毎日出社・帰社しなくても仕事はできるようになりました。社員にとっても、通勤時間の削減やプライベートの時間確保などの面で、非常に有効です。
しかし時間管理があいまいになり、会社と社員の間に不信感が生まれてしまうなら、メリットが覆されてしまいます。状況に合わせて、気持ち良く直行直帰ができるような環境をととのえましょう。

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