飲み会や休日は労働時間か

労働時間・休日

飲み会や掃除は労働時間?労働時間の考え方の基本

この記事でわかること

・労働時間とは「会社や上司の指示で働いている時間」
・指示されて行う研修や掃除、朝礼については労働時間となる
・飲み会や接待、ゴルフなどはケースによるが労働時間にはならないことが多い

労働時間をハッキリさせる

残業時間などを計算するときには、「どこまでを労働時間に含めばいいか」ということをはっきりさせておく必要があります。

しかし実際の仕事の中には、

「研修している時間は労働時間?」
「掃除をしている時間は労働時間?」
「着替えている時間は労働時間?」

など、判断に迷うケースがあるはずです。

最近では、上司が部下を飲みに連れて行ったら、部下がその時間を残業代として申請した、というような話も聞かれるようになりました。では、この上司と部下のモヤモヤをすっきりさせるためには、どのように考えたらよいのでしょうか。

労働時間の定義

まず、労働時間とはどのような時間を指すのかを明確にしましょう。

労働時間とは、「会社や上司の指揮命令下で働く時間」のことを指します。つまり、仕事内容にかかわらず、「会社や上司の指示で働いていたかどうか」が判断基準になるのです。

ケース別 労働時間の判断基準

迷いやすいケースについて、それぞれに解説をしていきましょう。

・会社側が「参加必須」としている場合は、労働時間に当てはまります。
・自由参加のものであれば、労働時間には当てはまりません。

・当番制など会社からの強制であれば、労働時間に当てはまります。
・ボランティアや自由参加の場合は、労働時間には当てはまりません。

労働時間に「なる・ならない」の両方の判例が出ているため、判断しにくいとされています。接客業や製造業など、会社指定の特定の制服や作業服などの着用が義務付けられる場合は着替えも労働時間になるケースが多いです。

会社で行われる通常の飲み会や接待(ゴルフコンペなど)は、一般的には労働時間として認められません。参加強制で参加しないと評価が下がるケースや、その社員が運営を行っており、本人が行かないとイベントが運営できないなどの場合は、労働時間になる可能性があります。※社員旅行も同じ扱いです。

・労働時間には当てはまりません。(特定の有害業務に従事する労働者について行われる特殊健康診断を除きます)
・ただし、会社判断で労働時間としているケースも多くあります。

・休憩時間に電話を取らないといけない場合は、労働時間に当てはまります。
・店頭でお客を待っている時間なども、労働時間に当てはまります。
・接客業の勤務時間内に、お客を店頭で待つ時間も労働時間に当てはまります。

・出張の移動時間については、労働時間には当てはまりません。
・ただし、移動中に仕事をしたり、物品を運搬している場合は労働時間に当てはまります。

※しかし移動中を全て「労働時間ではない」としてしまうと、長距離の出張などでは1日の所定労働時間よりも労働時間が短くなってしまうこともあるため、出張した日は所定労働時間分働いた、とみなす運用が多くされています。

・通勤時間は、労働時間には当てはまりません。
・通常の休憩時間は、労働時間には当てはまりません。
・面接の時間は、労働時間に当てはまりません。

 

考え方のまとめ

会社にはさまざまな業務があり、コミュニケーションの観点などから見ても、すべての行動を割り切って考えられないケースも多いでしょう。

「これは労働時間に含まれるのか」と迷うときは、その業務の内容ではなく、「会社の指揮命令下にあったか」で判断してください。

また、実際に指示されたかどうかだけではなく、

・会社は自由参加としているが、その研修や飲み会に参加しないと評価が下がる
・やり残した仕事を家に持ち帰って行い、かつそれを上司が把握している

という場合にも、労働時間とする必要があります。

 

社員の行動が労働時間に当てはまるかどうかは、雇用契約の原則である「会社は社員に対して指示を行い、それに対して社員が労働をする」に基づいています。

しかしその中には、「社員が自発的にものごとを考え、労働を行う」ことが考慮されていません。

これからの会社は、「社員を時間で拘束するため」でも「社員に自由を与えるため」でもなく、価値を生み出す場を提供するという立場に立ち、労働時間への考えを変えていく必要があるかもしれません。

飲み会が労働時間になるかどうか…などは重要な判断ですが、突き詰めると会社と社員の対立を生んでしまいます。それを議論する前に、皆がもっと主体的に働く環境をつくれるような会社になることを願っています。

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