管理監督者の3つの条件

労働時間・休日

管理監督者の3つの条件と、管理職との違いとは

この記事でわかること

・管理職と管理監督者の違い
・管理監督者が満たすべき3つの条件
・管理監督者の労働時間と給与

管理監督者と管理職の違い

「管理監督者」は、管理職と混同されがちですが、違う扱いが必要です。

つまり、広い意味での管理職の中に、特定の役割を果たす管理監督者が含まれているということになります。

管理職と残業代

「管理職は残業代を支払わなくてもよい」と勘違いされている方がいますが、そうではありません。

管理職・・・残業代は支払わなくてはいけない

管理監督者・・・残業代を支払わなくてもいい

残業代を支払わなくてもよいのは、管理職ではなく、労働法上の「管理監督者」です。

管理監督者は「経営者と一体的な立場にある者」と法律でも定義されています。

経営者は、労働しているかどうかの区分があいまいです。たとえば、知り合いの経営者と飲みに行ったり、散歩中に事業戦略を考えたり、ビジネスモデルについて勉強をすることは、労働に当たるでしょうか?

「経営者と一体的な立場」というのは、上記のように経営者に近い働き方をしており、労働時間の区分があいまいな社員のことです。だから管理監督者は、正確な労働時間(または残業時間)を計算できない、となるのです。

管理監督者の3つの条件

その人を管理監督者とみなすには、以下の3つの条件を満たす必要があります。

経営会議に参加する、採用権限がある、部の予算や方針を決定している、部下の管理をしている、など、仕事に対する権限を持っている必要があります。

権限を持たず、経営者からの指示に従って業務を管理しているだけでは、管理監督者には当てはまりにくいです。

経営者に近い立場である以上、勤怠については大きな裁量があるはずです。

毎朝9時に出勤しなければならない、早退したら処罰がある、という状態では、出勤退勤の自由があるとはみなされません。

管理監督者は、給与や賞与の金額がそれなりに高い必要があります。特にその部下が残業代をもらった結果、管理監督者の給与を超えてしまうことがないように給与を設定します。

たとえば、管理監督者である部長の給与が40万円で、部下の課長が35万円+残業代6万円をもらってしまった、など、給与が逆転してしまう場合は、管理監督者として認められにくいのです。

社員の多い大企業ではチームごとに管理監督者がいることもありますが、中小企業では役員クラスの社員ではないと当てはまらないケースがほとんどです。

管理監督者の労働時間・給与

管理監督者の労働時間についても、注意が必要です。

管理監督者には、
労働時間の上限の規定は、適用されません
休憩時間・休日規程は、適用されません

管理監督者には
深夜労働時間に割増賃金を支給しなくてはいけません
有給休暇を付与しなくてはいけません


また、管理監督者とはいえ、何時間でも労働していいわけではありません。
会社としては、長時間労働とならないように管理し、健康を害することのないように配慮する義務があります。

 

管理監督者の3つの条件を満たさない人を管理監督者として扱うと、「名ばかり管理職」と言われ、残業代の未払いなどのトラブルが起きやすくなってしまいます。
残業代削減のために社員を管理監督者として扱っても、それは会社のリスクになるだけです。もし管理監督者とするのであれば、経営を一部任せていいと思えるような、信頼できる社員に限り、自由と裁量をきちんと与えてください。

それが、任された社員の誇りとやる気につながります。

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