基本

労基署の調査が入ったら? 準備すべき書類一覧と、当日までの流れ

この記事でわかること

・労基署の調査の目的がわかる
・定期監督で求められる書類がわかる
・調査当日の流れがわかる

労基署の調査、種類と目的

労基署の調査は、大きく4つです。


「定期監督」「申告監督」「災害時監督」「再監督」


この記事では、一般的な「定期監督」について解説していきます。

 

労基署は、労働基準法だけではなく、労働安全衛生法や最低賃金法など、労働に関する法律を担当しています。

生活できる賃金が支払われているか、残業が多く体に負担がかかってないか、休息が取れるようになっているかなどの基準は法律で定められており、労基署によって違反が発覚したということは、社員の健康や生活に支障が出ている可能性がある、と見なされます。

 

定期監督の対象となる会社は、毎年度、調査計画に沿って選択されます。調査の日は、事前に会社へ連絡がある場合と、ない場合があります。事前連絡は、電話もしくは郵送で行われます。

定期監督の事前連絡が来たら行うこと
・日程調整(準備がととのう期間で調整する)
・顧問社労士への連絡

労基署の調査では、準備しておかないといけない書類があります。また、事前に調査しておくよう指示される事項もあるので、当日までに提出できるようにしておく必要があります。

 

労基署の定期監督に必要な書類

労基署の調査時には、次のものを準備しましょう。本来は、労基署の調査のある・なしを問わず、揃っているべき書類です。万が一揃っていなければ、早急に準備することが求められます。

 

個人別の、タイムカードまたは出勤簿(原本)が必要です。何時から何時まで従業員が働いかたわかるように、始業・終業時刻が記載されている必要があります。調査の事前に「いつからいつの分が必要か」の期間を指定されます。最長で2年分を求められることもあります。

指定された期間分の賃金台帳(原本)を用意します。これも事前に期間が指示され、最長で2年分を求められることもあるため、過去の分も適切に管理しておくことが重要です。

労働者の情報をまとめた名簿(原本が求められます。記載項目は、「① 労働者氏名、 ②生年月日、 ③履歴、④性別、 ⑤住所、 ⑦従事する業務の種類、 ⑧雇入年月日、➈退職や死亡年月日、その理由や原因」です。個人別での作成が必要です。

 

36協定など、労使協定や各種届け出の控えを用意します。会社によって、作成している届出の種類が異なりますが、・「1年単位の変形労働時間制」「事業場外みなし労働時間制」「1週間単位の非定型的変形労働時間」「貯蓄金管理に関する協定」「1ヶ月単位の変形労働時間制」「企画業務型裁量労働制」「専門業務型裁量労働制」などを導入している場合は、その控えを用意しておく必要があります。

会社のルールを記載した規程です。従業員が10名以上いる企業は、そもそも作成して労基署に届出をしておかないといけません。データでの提出はできないため、ワードファイルやドキュメント形式で作成してある場合も、印刷しておきます。

雇用契約書(労働条件通知書)の原本が必要です。これは企業と従業員との間で交わされる契約書で、個人別で作成が必要です。賃金や勤務時間、休日、仕事の内容などを記載しています。

どれも、会社で作成・保管が義務付けられている書類です。調査が入ってから作成するのではなく、常日頃から管理を徹底しておきましょう。

 

事前に指示されるケースがある項目

労基署の調査が入る前に、確認しておくようにと指示される場合があります。

調査を指示されることが多い事項は、次のとおりです。

・全労働者数・男女別の労働者数  ・18歳未満の労働者数
・アルバイトとパートの人数
・外国人労働者の数と在留資格の種類  ・障害のある労働者数と業務内容
・企業内で最も賃金が低い労働者の賃金額

なお、上記を全て確認するには、時間がかかる場合があります。普段から管理できていれば短時間で準備ができますが、細かいところまで管理できていない企業も多いため、注意が必要です。

労基署へ必要な期間を伝え、調査の日を決めましょう。確認に時間が必要なことは、労基署も認識しています。事前に連絡をすれば、日程の調整はしてもらえます。

 

定期監督 当日の流れ

定期監督の当日は、事前に労基署から指示があった書類をもとに、法律に沿っているかどうかをチェックされます。違反が見つかった場合は、違反項目と改善期限が記載された「是正報告書」という書類を渡されます。

調査では、就業規則が正しく運用できているか、労働条件を書面で通知しているか、36協定書など必要な届け出をしているか、残業代は正しく支払われているか、健康診断を決められた期間ごとに行われているかなどをチェックされます。

従業員が50名以上の企業では、ストレスチェックが実施されているか、産業医がいるかなど、細かな部分をチェックされることが多いため、注意が必要です。

 

予告なしに訪問される場合もある

労基署の調査は、当然、予告なしに来る場合もあります。

定期監督
事前連絡がなく、予告なしに訪問される場合もあるため、普段から管理しておくことが大切です。

申告監督
労働者からの労働関連の法律違反の申告があった際の調査で、場合によっては予告なしに訪問されます。

災害時監督
労働災害が一定以上発生した場合において、原因を突き止めたり再発を防いだりすることを目的に行われる調査です。基本的に、調査日を話し合って決めたうえで調査に入ります。

再監督
定期監督、申告監督、災害時監督で違反が確認されたり、是正勧告を受けたりした場合において、期日までに是正勧告書を提出しなかった際に行われる調査です。

 

労基署は、法律を守れているかどうかをチェックする機関です。法律に沿った労務管理ができていれば、まったく心配はありません。すべて遵守できていない会社もあるかと思います。しかし、調査日が決定してから慌てて書類を集めるのではなく、いつ調査が来てもいいように、普段から書類の作成・管理などを徹底していきましょう。それが会社と社員を守ることにつながります。

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