基本

年金事務所の調査、何を準備する? 必要書類から当日の流れまで

この記事でわかること

【基礎知識】社会保険に加入しなくてはならない人と、年金事務所の調査の概要を知る
【やること】必要書類の準備と、当日までの流れ
【よくある質問】調査にかかる時間や、調査日時の変更など

基礎知識

年金事務所による社会保険の調査ではどのようなことが調べられるのかを知り、事前準備を行い、安心して調査に対応できるようにします。

年金事務所とは、年金の加入・喪失、年金の支給、加入状況の調査などをおこなうところです。ここでの「年金事務所の調査」とは、企業が正しく社会保険に加入しているかを見るための、定期的な調査をさします。一般的には、企業が指定日に書類を年金事務所まで持参します。


年金事務所による社会保険の調査は、どの企業にも必ずあるためです。


社会保険に加入しなければならない条件で働いている従業員が未加入だったり、誤った算定基礎や随時改定を行っていると、遡及して是正する必要があります。

【社会保険に加入しなければならない条件】
①1週間の所定労働時間と1カ月の労働日数が、正社員の4分の3以上の人
②常時501人以上の事業所や、任意特定を申出した事業所で、1週間の所定労働時間が20時間以上かつ、1年以上雇用される見込みかつ、賃金月額が8.8万円以上の人

 


・社会保険加入事業所
・未加入事業所(強制適用事業所なのに、
未加入の事業所)



【強制適用事業所】


法人事業所と、常時5人以上の個人事業所(一部を除く)をさします。



事業所で社会保険事務を行っている従業員および事業主

・加入済みの事業所の実施時期の目安は、4年に1回
・新規適用事業所は加入から1年以内に1回が目安

調査時期は、管轄の年金事務所によって異なります。調査の対象になるときは、事前に文書で日時と事前準備資料の指定がされます。まれに、文書の前に電話連絡がくるケースもあります。

 

やること


必要書類を準備する


年金事務所から届く「調査に必要な書類一覧」を確認し、必要書類を準備します。

調査の目的や事業所の規模によって指定される書類は異なりますが、一般的には以下の書類が必要になります。

賃金台帳 / 出勤後(タイムカード等) / 労働者名簿 / 雇用契約書 / 源泉所得税の納付書 / 就業規則や賃金規程

過去1~2年分の持参を指定されることが多いでしょう。


社会保険に正しく加入しているか、自社内で確認する


賃金台帳や出勤簿に記載されている労働時間と、
未加入者がいないかの確認をします。

同時に、社会保険の加入条件を満たしていないのに加入している従業員がいないかも確認します。要件を満たしていない加入者が見つかったときは、喪失の手続きをおこないます。


未加入者の労働時間を確認する


未加入者がいたら、その労働時間が一時的なのか、継続的になっているのか確認します。

たまたま退職者が出て残業が増えている、繁忙期で残業時間が増えている、などの一時的な労働時間の増加であれば、原則加入の対象にはなりません。調査でその旨を伝え、後日出勤簿などを提出すれば、年金事務所の担当者に納得してもらえるでしょう。

ただし、残業が多く、週30時間以上の勤務が連続3ケ月続いているようなら、社会保険に加入するよう調査で指摘を受けるケースもあります。


標準報酬月額が適正か、確認する


資格取得時の標準報酬月額が適正か、算定基礎、随時改定、賞与支払届の提出を間違いなく行っているかを確認します。

【確認方法】
標準報酬月額は、日本年金機構から郵送で各企業に届く「健康保険・厚生年金保険被保険者標準報酬月額決定通知書」で確認できます。賞与支払届は、管轄の年金事務所または事務センターに提出した「賞与支払届」で確認をします。


【算定基礎】
7月10日までに提出をしないといけない手続きのひとつです。社会保険料の見直しをおこないます。
【随時改定】
基本給や毎月決まって支払われる手当(交通費、役職手当など)などに変更がったときに、おこなう手続きです。社会保険料の見直しをおこないます。
【賞与支払届】
賞与が支払われるごとに、年金事務所に届出が必要です。
【標準報酬月額】
毎月の社会保険料を決める基準となる月額です。


 


年金事務所に行く


調査日に、年金事務所から指示された書類を年金事務所に持参します。
行く前に不備が見つからないよう、前日までに書類を準備をしておきましょう。


必要に応じて是正する


年金事務所から調査で指摘された内容を是正します。社会保険の
未加入者がいたら資格取得手続きを行い、算定基礎届、月額変更届、賞与支払届に不備があれば訂正します。

 

よくある質問

Q:調査にはどのくらい時間がかかりますか?

一般的には、30分〜2時間程度です。担当者や事業所の規模によって変わります。

Q:加入が必要なほど長く働いている従業員が、「入りたくない」といっています。

加入しないといけません。加入する・しないは、従業員の希望で選択はできません。どうしても加入したくないのであれば、労働時間を短くする必要があります。

Q:労働時間が一時的に長かったときの未加入は、調査時に口頭で伝えたら納得してもらえますか?

調査のとき、いったんは納得してもらえることが多いです。ただし、その労働時間は一時的であったとの証明が必要です。一般的には、調査後の2〜3か月分の出勤簿や、賃金台帳の提出が求められます。

Q:年金事務所からの指定日時の、都合がつきません。調査日を変えてもらうことは可能ですか?

変更してもらえます。指定された調査日に行くことが難しいならば、年金事務所に連絡して違う日程を予約しましょう。必ず連絡をして、調査の無断欠席は避けましょう。

Q:調査では、どのようなことを聞かれますか?

賃金の締日、支払日、住所、事業主の変更の有無、未加入者の確認、算定基礎、月額変更、賞与支払届が未提出になっていないか、資格取得時の報酬額が実際の支給額と著しく乖離していないかなどを確認されます。

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よりよい会社をつくるために


社会保険に正しく加入できていないと、従業員に不利益が発生します。企業の労務管理の中でも、特に大切な手続きになるため、あいまいにせずに正しく運用しましょう。年金事務所の調査は、労働基準監督署の調査と違って、すべての事業所に対して行われます。調査直前に不備が見つかっては、正すまでに時間もかかります。調査のある・なしにかかわらず、常に正しい手続きがされているよう、管理するようにしてください。

 

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